つい自分を責めてしまったときの、心のリセット法

気づけば、自分を責めてしまう

何か失敗したときだけでなく、
ちょっとしたミスや、誰かの表情、うまくいかなかった会話――
そんな小さな出来事をきっかけに、気づけば自分を責めてしまうこと、ありませんか？

「またうまくやれなかった」
「どうしてあんなことを言ったんだろう」
「もっとちゃんとできたはずなのに」

私も以前は、そんな言葉を心の中で何度もくり返していました。
まるで、自分を叱る上司が頭の中に住み着いているような感覚です。

自分を責めることは、改善ではなく消耗

多くの人は、「自分を責めるのは成長のため」と思っています。
でも、実際にはその逆で、責めることはエネルギーを消耗させるだけ。

例えばスポーツの練習を思い浮かべてみてください。
コーチから「今のはここをこうするともっと良くなるよ」と教えてもらうのと、
「何やってるんだ、お前は！」と怒鳴られるのでは、
どちらが次の練習に向かう気持ちになりますか？

心も同じです。
責めることは、改善のための冷静な分析ではなく、
ただ心に傷を重ねる作業になってしまいます。

自分を責めるクセが出てしまう3つの背景

自分を責めやすい人には、いくつか共通点があります。

1. 完璧主義
   • 少しの失敗や不完全さも許せず、100点以外はダメだと感じる。
2. 他人の評価を重視しすぎる
   • 人からどう思われるかが常に気になり、自分の基準を見失う。
3. 過去の経験
   • 子どもの頃から、失敗に対して厳しい反応をされてきた経験がある。

これらの背景は、意識していなくても無意識に行動や思考に影響を与えます。

心のリセット法：やさしいセルフトーク

自分を責めそうになったら、まずはその思考を「止める」ことよりも、「ゆるめる」ことを意識しましょう。

1. 事実と解釈を分ける
   • 「会議でうまく発言できなかった」という事実と、「だから私はダメだ」という解釈は別物です。事実だけを切り取れば、解釈は変えられます。
2. 他人だったら何と言うかを想像する
   • もし大切な友人が同じことをして落ち込んでいたら、あなたはどう声をかけますか？
   • おそらく「大丈夫だよ」「そんな日もあるよ」と言うはずです。
   • その言葉を、自分に向けて言ってみましょう。
3. 今の自分を許す言葉を選ぶ
   • 「まあ、いいか」
   • 「今はこれで十分」
   • 「これも私の一部」
   • 短くてもいいので、責める代わりに許す言葉を心の中で唱えます。

私の「やさしい声かけ」習慣

私は、自分を責めそうになったら、こうつぶやくようにしています。

「それは失敗じゃなくて、経験のひとつ」

そう言うだけで、心の重さが少し軽くなります。
そして、「次はどうする？」と未来の方向に視線を向けられるようになります。

責めるより、育てる

植物に水や日光を与えるように、
私たちも、やさしい言葉と十分な休息を与えることで育ちます。

責めることで成長するより、
育てることで伸びる方が、ずっと自然で穏やかな方法です。

今日も、よくやったね

もし今、あなたが「またやってしまった」と自分を責めているなら、
それは、あなたが真面目で誠実な証拠です。

その誠実さは、どうかそのままにして、
責めるエネルギーは「次に進むための優しい声」に変えてあげてください。

そして今日も、こう言わせてください。

おかえり、今日もよくやったね。

Senju Kyoko

日々、がんばっているあなたへ、「おかえり」の気持ちを込めて書いています。 読み終えたとき、少し肩の力が抜けて、心がふっと軽くなりますように。