今日は何もしなくていい日もあっていい

朝から、体も心も動かない日
朝、カーテンのすき間から光が差し込むのを感じて目が覚めたけれど、体が思うように動かない。
「起きなきゃ」と思っても、布団のぬくもりに包まれたまま、しばらく身動きできない。
そんな朝、ありませんか?
私は昔、そんな自分をすぐに責めてしまうタイプでした。
「みんなはちゃんと起きて働いているのに、自分はなんてダメなんだろう」
「今日も予定があるのに、またやる気が出ない」
そうやって、自分の心にムチを打つようにして無理やり動かしてきました。
でも、あるとき気づいたのです。
動けない日があるのは、私が弱いからではなく、私の心と体が『これ以上は危ないよ』と教えてくれているからなんだと。
心と体は、いつも全力では走れない
私たちの心と体は、機械ではありません。
同じスピードで、同じ出力で、毎日走り続けられるわけではない。
天気や気圧、睡眠の質、食事の内容、人との関わり――
ほんの小さなことでも、心と体の調子は変わります。
特に真面目でがんばり屋な人ほど、心のエネルギーが減っていても「まだいける」と思ってしまい、休むタイミングを逃しがちです。
でも、それはちょうどスマホの充電が1%なのに、さらに動画を見続けるようなもの。
やがて電源が落ちてしまうのは、当然のことです。
「何もしない日」はサボりではない
動けない日のことを、私たちは「怠けている」と呼びがちです。
でも、本当は違います。
人間の心は、緊張と弛緩をくり返して健康を保っています。
走りっぱなしでは息切れしてしまうし、休みっぱなしでは筋肉が弱ってしまう。
だからこそ、何もしない時間は、次に動き出すための準備期間なのです。
たとえば、植物も同じ。
花を咲かせるためには、冬の間しっかり休んでエネルギーをためます。
私たちも、それと同じサイクルで生きているのです。
何もしない日にできる、3つの小さなこと
「今日は何もしない」と決めた日でも、ほんの少しだけ心や体が喜ぶことをしてみませんか。
- 窓を少し開けて、新しい空気を入れる
- 外の風を感じると、体が自然と深呼吸します。顔に当たる空気の温度や匂いを、ただ味わってみてください。
- お気に入りの飲み物をゆっくり味わう
- お茶やコーヒー、ココアでもいい。口に含んだ瞬間の香りや温かさを、全身で感じてみましょう。
- 心地よい音を流す
- 波の音や鳥の声、やさしい音楽――耳から入ってくるやわらかい音が、頭の中のざわざわを静めてくれます。
これらは、何も「頑張る」必要がありません。
ただ受け取るだけで、心が少しずつ整っていきます。
私が経験した「何もしない日」の効果
以前、仕事のストレスがピークに達したとき、週末に何も予定を入れず、丸一日ベッドで過ごしたことがありました。
最初は「こんなにダラダラして大丈夫かな」と不安でしたが、夕方になってふと気づいたのです。
体が軽くなり、頭の中が少しクリアになっている。
あのとき、「休むことは前進を止めることじゃない」と心から実感しました。
今日もよくやったね
もしあなたが「今日は何もできなかった」と感じても、
その一日は、あなたを守るための大切な時間です。
動けなかった自分を責める代わりに、
そっとこうつぶやいてみてください。
「今日は、よく休めたね」
そして、そんな日を過ごしたあなたに、私はこう伝えます。
おかえり、今日もよくやったね。