自分に優しくするって、わがままじゃない

「人に優しくしなさい」とはよく言われるのに、
「自分に優しくしていいよ」とは、あまり教えられてこなかった気がしませんか？

多くの人は、学校や職場、家庭で「我慢すること」や「人に合わせること」が美徳だと教えられて育ってきました。だから、自分をいたわろうとすると「甘えなんじゃないか」「わがままに見えるんじゃないか」と不安になってしまうのです。

でも、本当はその逆。
自分に優しくすることは、わがままではなく、心を守るために必要なこと なのです。

１. 「自分に厳しく」が当たり前になっていない？

「もっと頑張らなきゃ」
「これくらいできないとダメだ」
「みんなもやっているんだから」

そんな言葉を、自分自身に向けてしまうことはありませんか？

一度や二度ならまだしも、毎日のように自分を追い立てていると、心は知らないうちに疲れてしまいます。
他人から同じことを言われたら傷つくような言葉を、自分に浴びせ続けてしまっているのです。

自分を大切にしないまま頑張り続ければ、いずれ心も体も限界を迎えてしまいます。

２. 自分に優しくする＝自分を甘やかすではない

ここで大切なのは、「優しくする」と「甘やかす」は違うということ。

優しくするとは、必要なときに休ませてあげること、認めてあげること、安心させてあげることです。
それは、子どもが疲れたときに「少し休もうか」と声をかける親のようなもの。

一方で「甘やかす」は、責任を放棄して欲望のままに行動すること。
まったく別物なのに、「自分を労わること」を「甘えている」と混同してしまう人は多いのです。

３. 他人に優しくできるのは、自分に優しくできる人

「自分さえ我慢すればいい」と思っているとき、実は無意識のうちに他人にも厳しくなりがちです。
「私はこんなに耐えているのに、どうしてあの人は…」という気持ちが芽生えてしまうからです。

逆に、自分に優しくできる人は、自然と他人にも優しくなれます。
自分の心に余裕があるからこそ、人の弱さや失敗にも寄り添えるのです。

だから、自分を大切にすることは決して自己中心的なことではなく、周囲との関係をより良くするための基盤でもあるのです。

４. 自分に優しくするための小さな習慣

「じゃあ、具体的にどうすればいいの？」と思うかもしれません。

ここでは、今すぐできる小さな習慣をいくつか紹介します。

• 疲れたら10分だけ横になる
• 無理にポジティブになろうとせず、「疲れてるな」と認める
• 自分を責めそうになったら「でも私は今日ここまでやった」と言い換える
• 自分の好きなもの（音楽・香り・飲み物）を意識的に取り入れる

こうした小さなことが、自分の心を守る「優しさ」になります。

５. 優しさは「未来への投資」

自分に優しくすることは、今日一日の気休めではなく、未来のあなたを守る行為です。
休んだ分、また明日動ける。
認めてあげた分、次の一歩を踏み出せる。

優しさは、あなたを甘やかすのではなく、前に進むためのエネルギーを蓄える行為なのです。

最後に

あなたが自分を大切にすることは、決してわがままではありません。
むしろ、そうすることで初めて、周りの人にも本当の意味で優しくできるのです。

今日一日、よく頑張った自分に「ありがとう」と言ってあげてください。
そして、眠りにつく前にひとこと——

おかえり、今日もよくやったね。

Senju Kyoko

日々、がんばっているあなたへ、「おかえり」の気持ちを込めて書いています。 読み終えたとき、少し肩の力が抜けて、心がふっと軽くなりますように。