2025.10.09 2025.10.09

「ちゃんとしなきゃ」を手放す練習｜心をゆるめるために

senjukyo

「もっと頑張らなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」――。
そんな言葉が、いつの間にか自分の心の中に居座っていませんか？

仕事でも家庭でも人間関係でも、「ちゃんとした自分」でいようとする気持ちは、とてもまじめで誠実な証拠です。けれど、その気持ちが強くなりすぎると、知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまいます。

この記事では、「ちゃんとしなきゃ」という思いを少しずつ手放して、心をゆるめるためのヒントをお届けします。完璧を目指さなくても大丈夫。むしろ、不完全さを受け入れることで、私たちの心は軽くなっていきます。

1. 「ちゃんとしなきゃ」が生まれる背景

「ちゃんとしなきゃ」という気持ちは、多くの場合、周囲の期待や社会的な価値観から生まれています。
    •    仕事では「きちんと成果を出さなきゃ」
    •    家では「いい親、いい子でいなきゃ」
    •    友達の前では「明るく元気でいなきゃ」

こうして積み重なった「役割の仮面」が、気づけば自分を縛るルールになってしまうのです。

そして厄介なのは、この「ちゃんとしなきゃ」が一度スイッチを入れると、休んでいるときや一人のときまで頭の中で鳴り響いてしまうこと。
「休むのも下手」「だらけちゃいけない」と、リラックスすら罪悪感に変わってしまいます。

2. 完璧じゃなくても大丈夫な理由

私たちはつい「完璧であること＝価値があること」と思い込みがちです。けれど実際には、不完全さやゆるさの中にこそ人間らしい温かさがあります。

思い返してみてください。
あなたが人に安心感を抱いたときは、相手が完璧だったからではありません。
むしろ、少し抜けていたり、弱さを見せてくれたりしたときの方が、近さや安心感を覚えるものです。

つまり「ちゃんとできない自分」を見せても、価値は下がらないどころか、むしろ人とのつながりが深まることすらあるのです。

3. 「ちゃんとしなきゃ」を手放すための3つの練習

練習① 小さな「手抜き」を許してみる

いきなり大きなことを変えるのは難しいので、まずは日常の中で「手を抜いてみる」ことから始めてみましょう。
    •    ごはんを全部手作りする代わりに、コンビニのお惣菜を取り入れる
    •    掃除を毎日完璧にしなくても、「今日は一部だけ」で終わらせる
    •    メールの返信を即レスしなくても、「落ち着いたら返そう」と決める

「手抜き」＝「怠け」ではありません。それは、自分を守るための大切な調整です。

練習② 「まぁいいか」を口ぐせにする

「ちゃんとしなきゃ」の裏には、「失敗したらどうしよう」という不安があります。そんなときは、自分にこう言ってあげましょう。
    •    「多少遅れても、まぁいいか」
    •    「ちょっと失敗しても、まぁいいか」
    •    「今日はできなかったけど、まぁいいか」

「まぁいいか」は魔法の言葉。気持ちをゼロか100かで考えずに、グラデーションで受け止められるようになります。

練習③ 本当に必要なことだけを残す

「ちゃんとしなきゃ」が強いと、やらなくてもいいことまで自分に課してしまいがちです。
だからこそ、一度立ち止まって「それは本当に必要？」と問いかけてみましょう。
    •    「これは誰のためにやっている？」
    •    「やらなかったら、何が起きる？」
    •    「1週間後の自分はこれを覚えている？」

そうやってふるいにかけると、意外と「なくても困らないこと」が多いことに気づきます。残ったことだけを大切にすれば、心は驚くほど軽くなります。