思考が止まらない夜にできる「安心ルーティン」
おかえり、今日もよくやったね。
布団に入って、さあ眠ろうと思ったのに──頭の中で今日の出来事がぐるぐる回り出す。明日の予定や、まだ起きてもいない未来の不安が押し寄せてくる。そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
眠りたいのに眠れない夜。心も体も「休ませたい」のに、頭のスイッチだけが切れない。その状態が続くと、翌日の疲れに直結し、自己嫌悪や焦りにもつながります。
でも、大丈夫。そんな夜にこそ「安心ルーティン」を取り入れてみましょう。ここでは、無理に眠ろうと頑張らなくてもいい、安心感を取り戻すための小さな習慣をご紹介します。
1. 「安心ルーティン」とは?
ルーティンというと、朝の身支度や仕事の段取りのように「効率化のための手順」をイメージするかもしれません。ですが、ここでいう「安心ルーティン」はちょっと違います。
それは、夜の時間を「休んでいい」「そのままの自分でいい」と心に伝えるための小さな合図のこと。
毎晩同じことを繰り返すことで「これをしたら眠る準備ができる」「考えることをやめても大丈夫」という安心感を体と心に染み込ませていくのです。
2. 思考が止まらない夜に共通すること
まずは「なぜ思考が止まらないのか?」を整理してみましょう。
- 今日の出来事を振り返っている(失敗・会話・気になることの反芻)
- 明日の予定を気にしている(遅刻しないか、仕事でうまくやれるか)
- 漠然とした未来の不安(この先どうなるんだろう、ずっとこのままなのかな)
頭が休まらないときは、たいてい「過去」と「未来」に心が引っ張られています。
本来「今は眠るだけでいい時間」なのに、心があちこちに飛んでしまうんですね。
そこで必要なのは、「今ここ」に意識を戻してあげること。安心ルーティンは、そのための橋渡しになるのです。
3. 夜にできる安心ルーティンの例
ここでは3つのステップをご紹介します。すべて実行しなくても、気になるものから取り入れてみてください。
① 紙に書き出す「頭の棚おろし」
布団に入る前に、頭の中を紙に吐き出しましょう。
- 今日あったこと
- 明日気になること
- 不安やもやもや
箇条書きでかまいません。「こんなこと考えてるんだな」と見える形にするだけで、頭の中のスペースが広がります。
ポイントは、書いた後は見返さないこと。
「ここに置いたから、今は考えなくていい」と自分に言い聞かせるのです。
② 呼吸をゆっくり感じる
布団に入ったら、呼吸に意識を向けてみます。
- 鼻から息を吸う(4秒くらい)
- ゆっくり吐く(6〜7秒くらい)
深呼吸ではなく「自然な呼吸を少し丁寧にする」イメージです。
思考は勝手に湧いてきますが、そのたびに「いま息を吸ってるな」「吐いてるな」と呼吸に戻す。これを繰り返すだけで、心が少しずつ「今ここ」に引き戻されます。
③ 「安心フレーズ」を唱える
頭がまた動き出しそうになったときは、短い言葉で心に合図を送ります。
- 「今は休んでいい」
- 「大丈夫、明日は明日の私がやる」
- 「考えなくても大丈夫」
お気に入りのフレーズを見つけて、何度も繰り返すと「安心のスイッチ」が入ります。
4. ルーティンを続けるコツ
安心ルーティンは、一度やっただけで劇的に眠れるようになるものではありません。大切なのは「毎晩くり返すこと」。
人の脳は繰り返しで安心を覚えます。
「紙に書いて → 呼吸を整えて → フレーズを唱える」
この流れが定着すれば、自然と「これをやれば安心して休める」と心が学習していきます。
焦らず、少しずつ、自分に合った形にアレンジしていきましょう。
5. 「眠れない夜」にも意味がある
最後に、大切なことをひとつ。
眠れない夜があったとしても、それは「あなたがダメだから」ではありません。
むしろそれは、心や体が「ちょっと休ませて」とサインを送っている証拠です。
思考が止まらない夜は、無理に眠ろうとするより「安心ルーティンで心をなだめる」ことを優先してみてください。
眠りは結果としてやってきます。
もし眠れなくても「安心できた」だけで、心は確実に軽くなっています。
おわりに
思考が止まらない夜はつらいものです。
でも、「安心ルーティン」を持っているだけで、その夜を乗り越える心の支えになります。
- 紙に書き出す
- 呼吸を感じる
- 安心フレーズを唱える
どれかひとつからでも始めてみてください。
あなたの夜が、少しでも穏やかで、やさしい時間になりますように。
